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日本の写真家・松尾忠男の作品集『ヌード・パンドラの箱の中で / Nude - In the Pandora's Box』。ニューヨークや東京を舞台にしたスナップ写真から、女性のヌード、意図的な制約下におけるポートレート、さらには1970年代には「N次元との対話」と題するアヴァンギャルドな写真制作も行っていた松尾忠男。コマーシャルやエディトリアルという委託業務における撮影のみならず、自身の創作活動の追求にも意欲的な写真家でした。ポートレート集である本書は、過去の『プロメテウスの肖像』(2001)と同じく、特殊な環境下で撮影を試みたヌード・フォトです。高さ135cmの箱の中に収められた裸の女性たちは、自己表現また当時の心境表現のごとく各々のポージングを試みます。また、その図版にはキャプションのごとく、写真家が被写体に質問した答えまでがテキストで添えられており、制約下においても個性とアイデンティーとエロチシズムがユニークに描写された稀有な作品集です。