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本書は、1970年から71年にかけて、戦後日本を代表する写真家であった東松照明の事務所「写研」より刊行されていた季刊誌『KEN』の全3号セット。「KEN」とは様々な意味合いを含んでいるようですが、「『見る』ことに固執しているぼくたちにとって、『見』であります」との記載もあり、写真や芸術を創作するきっかけとなるような、様々な事象を、様々な人の視点から、文字・写真・イラストを織り交ぜて構成しているようなめずらしい季刊誌です。大阪万博開催の年に創刊されたこともあり、内容的には、反政治・反社会的なコンテンツが色濃く収録され、読み物的な要素が強い構成ではありますが、表紙カバーや挿絵などは東松撮影による図版が使われ、荒木経惟・森山大道・深瀬昌久らによる特集も組み込まれるなど、見ごたえ・読みごたえのある作品です。発行人は東松照明ということになりますが、編集は、沢野良夫(第1号)、内藤正敏(第2号)、木村恒久(第3号)と毎号変えており、業種・年代も異なる各々の編集の違いも面白いです。