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日本の写真家・原芳市の写真集『神息の音 / Kamiki No Oto』。1948年生まれ。1980年代よりストリッパーや芸人などを写真に収め、日本的情緒と人間味に溢れた叙情的作品を数多く残してきた原芳市。90年代こそ「エロスの刻印」の発表のみに留まりますが、00年代以降は従来のスタイルを変え、夢と現実を往来するような心情的な作品を、展覧会を通じて精力的に発表しています。2019年12月に惜しまれつつ逝去されましたが、本書は没後に刊行された作品集で、2019年春に撮影されて、その後生前の原が最期にまとめた文字通りの遺作集。タイトルの通り、死を現実に実感しはじめていた原が、現実と天国の世界を浮遊・往来するかのごとく図版が連なります。静謐ながら大変エモーショナルかつパーソナルな一冊。原の作品に珍しい大判サイズに仕上げています。