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アメリカの写真家、アンソニー・ヘルナンデスの作品集『Landscapes for the Homeless』。1947年ロサンゼルス生まれ、妻は小説家のジュディス・フリーマン。カメラを始めた頃は、エドワード・ウェストンのストレート・フォトグラフィーに影響を受け、60年代の活動初期は、MoMAのシャーカフスキーにも評価されたストリート・スナップであり、ゲイリー・ウィノグランドらと並んで評価を受けていました。しかし、70年代後半以降ディアドルフを手にしてからは、「人」よりも「人のいない」風景を対象にするようになり、結果それらはルイス・ボルツらと並び、80年代以降隆盛を迎える「ニュー・トポグラフィクス」として認識されるようになっていきました。そして、本書がヘルナンデスの代表作で、1990年前後にロサンゼルスのハイウェイ近郊で撮影された「ホームレス」をモチーフにした一冊。しかし、人はあえて写さず、ホームレスの痕跡だけを描写した点がユニークで、批評家はそれを「法医学的で詩的」と評しました。(Parr&Badger Vol.3掲載)