今年

荒木　経惟 / Nobuyoshi Araki

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日本を代表する写真家・荒木経惟の写真集『今年』。2005年に発行となった本書は、ロンドンのバービカン・アートギャラリーでの大規模な展覧会が開かれ、その展覧会と連動し、「PHAIDON」からも700ページを越えた写真集が出されるなど、世界的に荒木の写真が注目を集めた年でもあります。1年間のスナップをまとめた写真集も多い荒木なので、「今年」というタイトルから、そうした日記形式の写真集を連想しますが、写真は8月15日で終わっており、最後の写真は荒木本人が皇居の二重橋前に写っています。8月15 日と皇居というキーワードが、「今年」というタイトルが別の意味を孕んでいることを示唆していますが、帯にも“特別な気配”とあるように、今年（2005年）というのは戦後60年であることが大きな意味を持っているようです。写し出されているのは東京の街。スナップをサムネイルのように配し、大判で写した写真は大きく配されるなど、デザイナー・鈴木一誌による大胆なレイアウトからも、今年という時間のあり方が特別の意味を有しているように感じさせます。

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＜Condition＞ ジャケット・本体：経年並み