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日本の写真家・朝倉俊博による写真集『流民列伝 -風のなかの旅人たち-(With OBI)』。60年代後半、演劇、音楽、写真などさまざまなカルチャーの交錯地帯であり、地方から流れつく者も多い、エネルギッシュで混沌とした街=新宿を題材に、雑誌『アサヒグラフ』で「新宿風来坊」を連載し、写真家デビュー(1969年)。その後も「流民烈伝」(1972年)、「さすらい歌情」(1975年)、「天暮芸人録」(1978年)と同誌での連載で作品を発表してきた朝倉俊博。また、吉村伸哉率いる写真評論社より刊行されていた写真雑誌『季刊写真映像』の最終号(10号)は、この朝倉俊博の特集となっています。本書は、上述したアサヒグラフでも連載されていた「流民列伝」のルポをテキスト中心にまとめた一冊で、随所に写真図版も収録されています。流浪の旅芸人らをモチーフにした内容となっており、初出のアサヒグラフの朝倉の作品は、原芳市が処女作『風媒花』を制作時に、参考にしていたそうです(高橋義隆『言葉の果ての写真家たち』より)。