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戦後日本を代表する写真家・高梨豊の作品集。「オツカレサマ」などに代表される60年代からのコマーシャル・ワークから、中平卓馬や森山大道らとの「プロヴォーク」活動、その公私共に見せる卓越したカメラワークに写真論、その高梨の思想が1974年に作品集『都市へ』(『東京人』含む)として結実。その後は「都市」から「町」へと舞台を変えて、大型カメラを背負って、バスや路面電車を乗り継ぎ「下町」を「カラー」で写真に収めていく活動に没頭します。そして3年後の1977年に上梓された写真集がこちらになります。戦後の高度成長期で「都市」化がますます進む東京。その東京には、江戸からの伝統や風俗が色濃く残された「下町」も未だ存在し、池波正太郎の言葉を借りれば「破壊されつくした東京の片隅に、それらのものが尚も微かに息づいているのを見るとき、むかしの東京人は、ほっと安堵のため息を吐くのである」。高梨もそんな気持ちであったのかもしれません。その後様々な視点・思想から「都市」を見つめていくことになる偉大な写真家の序章作品。小冊子付属。謹呈署名入り(但し宛名消跡)。