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日本の写真家でルポライター、高橋直宏の写真集『閃光の青春 福澤幸雄写真集』。本書は、福沢諭吉のひ孫で、レーシングドライバーの福澤幸雄を撮影した写真集です。走行中の事故で25歳という若さで他界した福澤ですが、卓越した技術で天才ドライバーと評されるも、大きなレースでの優勝はなく悲運のレーサーとも呼ばれました。『毎日グラフ』で撮影したものが主体としてまとめられた本書は、夭折のレーサーの様々な顔を写し出しています。端正な顔立ちで、サーキットでのレーシングスーツからスーツを脱いだオフの姿まで、被写体としての魅力が随所に感じられますが、あとがきで紹介されている「ボクにとっては“栄光と孤独”は背中合わせであり、宿命的なものです」という福澤の言葉が示すような、レーサーという特殊な職業ゆえの憂いのようなものが写真からも伝わってきます。アザーカットを多用した大胆なレイアウトも興味深い一冊です。