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秋田県横手市のアマチュア写真家グループ、集団「雪」の写真集『土の四季 -農村秋田の戦後史-』。戦後30年に渡り、地域の農村を撮り続けてきた同グループの佐藤久太郎、本間公淳(修二)、佐藤新一、加賀谷良助、幡江巌、加賀谷政雄といったメンバーによる作品を収録しています。それぞれが仕事の傍らに写真を撮り続けていたようですが、農村の風情や農民の暮らし、風習などを写し出しています。近代化が進んだ時期でもあり、農村の移り変わりなども見て取れますが、あぜ道を駆ける子どもや田畑を耕す馬耕など、ありし日の農村の光景がありありと残されています。冬の厳しさや農作業の厳しさを伝える一方で、いきいきとした農民たちの姿が印象的で、老若男女のにこやかな表情が、慎ましい農村暮らしの充実を感じさせます。日本の農村を題材にした南良和のような写真家のジャーナリスティックな視線とはまた異なる、牧歌的な風景とともに農村の素朴な日常を記録した1冊です。