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1968年に文化服装学院出版局から発行となった雑誌『Now』。本書は創刊号になり、表紙の雰囲気はまるで海外のファッション誌のようですが、ファッションから映画やアートなどのカルチャーコンテンツから豪華な執筆陣によるエッセイまで、60年代後半の魅力が詰まった盛りだくさんの内容となっています。写真でいえば、“幻の名手”とも評された柳沢信による浩宮徳仁親王殿下や、日本人で初めてフランスのファッション誌『Elle』で専属契約を結んだ吉田大朋による東京のランドスケープが収録されています。ファッション・シューティングが充実していますが(写真家のクレジットはなし)、エッセイでは評論家の草森紳一、作家の石原慎太郎や澁澤龍彦、野坂昭如、そして「VAN」の創業者でファッションデザイナー石津謙介といった多彩(というか鬼才)な面々が寄稿しています。その他にはイタリアのプロダクトデザインや画家のカシニヨールなどの紹介もあり、ジャーナリスティックでスノッブなカルチャー誌です。