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多木浩二、中平卓馬、高梨豊、岡田隆彦の4名による同人「プロヴォーク」の第2号作品集。本号より森山大道も加わって、「エロス / Eros」をテーマに岡田のテキストと4名の写真家の作品が収録されています。ちなみに森山が撮影した「エロス」の図版、この後の作品にも多々登場することになりますが、当時電通の社員でプロヴォークのファンであったという荒木経惟は、この森山の「情事」の作品に一番嫉妬したとか。荒木に限らず「写真とは何か」「なぜ、写真を撮るのか」という写真を撮るものに対する問題意識の醸成にも、多大な貢献を果たしたプロヴォークですが、そのプロヴォークの先行者と言えば東松照明であり、同グループは東松なしには存在しえなかったともいえるでしょう。土門拳らが提唱してきた「リアリズム」から脱却し、前衛的な写真表現に戦後からいち早く尽力したことのみならず、中平卓馬を「写真家」に転向させたのも東松との出会いがきっかけであり、また中平と森山、中平と多木との接点も東松から生まれたものです。プロヴォークの影に偉大なる先人・キーパーソンがいたことも見逃せません。