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1963年に創設された「日本リアリズム写真集団」(創設時の理事長は写真家の田村茂)の長崎支部が撮影した写真集『長崎の証言』。日本リアリズム写真集団は、「写真の創造活動を通じて表現の自由を守り、日本の平和と民主主義の発展に寄与しようとするプロおよびアマチュアの写真家、評論家、編集者などで構成する自主的な創造運動体」(HPより)で、現在も代表理事を報道写真家として知られる英伸三が務め、活動しています。1945年に長崎に原爆が投下されてから25年を経て発行された本書は、「ここには諦観と 元凶を告発するすさまじい執念の怒りとが交錯する ある昇華した一点がある」と始まり、様々な症状に冒されながら、死と隣合わせにあった被爆者たちの過酷な日々が記録され、被爆者の証言が付属しています。こうした事実を風化させずに、現実に目を背けずに写し出したリアリズムの結晶とでもいうべき写真の数々です。巻末には、田村やリアリズム写真集団の西日本ブロック委員長であり写真家の石津良介がテキストを寄せています。