Youth Unemployment

Tish Murtha

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イギリスの写真家ティッシュ・マーサの写真集。ニューカッスルの近くで生れたティッシュは、16歳で学校を辞めると、様々な職を転々としていましたが、夜間の写真コースに通い始めると、写真家になることを決意。その後、マグナム・フォトのデヴィッド・ハーンの指導の元、ウェールズ大の写真学校にてドキュメンタリーを学びました。2013年に脳動脈瘤で亡くなっています。本書は、1979年から数年間で撮影されもので、サッチャー政権の経済政策によって生じた不況や失業率の上昇、貧富の格差によって苦難を被ったニューキャッスルの若者たちを写しだしています。荒廃した街、当て所なくたむろする若者たち。彼らに笑顔はなく、ルーズな身なりで鋭い視線をレンズに投げかけています。ここに写っている多くがティッシュの家族や友人たちであり、被写体との近い距離感や自然な表情には返って親密さも感じられます。ティッシュはこうした光景を社会に示すことで、彼らの未来を変えることに希望を抱いていたようですが、時代の潮流に翻弄された若者たちの、偽りのない良質なドキュメントと呼べる1冊です。

＜Related Artists＞ Chris Killip、Bob Mazzer、Paul Graham、Martin Parr
＜Condition＞ 本体：経年並み