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1960年代から70年代までは、全日本学生写真連盟らの活動に代表される通り、(高校・)大学生による写真活動が隆盛を迎え、プロヴォークやコンポラ写真などの盛り上がりと、意欲的な写真家による活動などもあいまって、自費出版による写真集刊行も一時ブームであったとか。(本文テキストにも記載がありますが)御多分に洩れず我々もと、写真集制作に盛り上がった京都大学写真部の学生21人よって刊行されたのが本書であります。特段テーマもなく、各々が発表したい作品を収録した記念的要素もあり、写真集としての完成度も十分であるとは言えないかもしれません。しかし、70年代当時の実験的な写真表現の時代性を多分に感じさせ、色々な意味で確立されすぎていないことの「自由」が本作にはあり興味深い。そして何よりも、写真そのものを学生が心から楽しんでいるスタンスが十二分に伝わってきて、強く印象に残るものがあるというよりは、何度も見返して見てしまうような魅力がある一冊です。