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イギリスの写真家であるクリストファー・エヴァンスの写真集『In The Money』。本書は、“世界で最も忙しいショッピングストリート”であるとされるロンドンのオックスフォード・ストリートを舞台にしたもので、副題の「Christmas in Oxford Street」とあるように、その最も繁忙期であるクリスマス当日のドキュメントです。裏表紙には、「クリスマス前の6週間で7億ポンドが使われる」「1時間ごとに8万人がやってきて、平均で40ポンドを使う」といった統計学的なデータを引用していますが、そうした狂騒を素早いスナップで切り取っています。人でごった返すストリート、ツリーが置かれたショーウィンドウ、買い物袋……などのモチーフを収めながら、ブレ・ボケお構いなしの写真からは、その臨場感が伝わってきます。ファインダーを向けられポーズを撮っておどける者もいますが、そういう浮ついた感じもこの季節ならではなのかもしれません。押し寄せる人たちの間隙を縫ってシャッターを切るようなライヴ感が、また本書のテーマになっている消費のような刹那的な行動にも感じられます。