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60年代から活躍し、荒れたモノクロ写真で独自の世界観を築いてきた写真家・森山大道(1938-)。細江英公の助手を務めた後にフリーの写真家として歩み始め、1968年に写真集『にっぽん劇場写真帖』を発表します。本書は、森山が70年代に『アサヒカメラ』『朝日ジャーナル』『カメラ毎日』といった雑誌の連載(「何かへの旅」「櫻花」「地上」「日本三景」など)で発表した作品などをコンパイルしたものです。当時の雑誌のレイアウトをそのまま復刻した体裁になっており、内容によってはカラー写真も掲載されています。以下、本書のタイトルにもなっている「何かへの旅」の最終回より。「場所や、季節の固有性をきらいながらも、最終的にはそれにひかれて出掛け、また別のコンテクストを見つけて帰ってくる。〈何か〉などというあいまいなものをさがしにいって、結局、自分を見ることで始終しています。そして、いつもなにかを後に忘れてきたような気がする」。帯欠。