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2001年に『TIME』誌による「America’s Best Photographer」に選ばれたアメリカの女性写真家サリー・マンの写真集『Remembered Light』。本書は、2016年にニューヨークで行われた展示と合わせて刊行されたもので、ヴァージニア州・レキシントンに生まれ、現在も当地で生活を続けるサリー・マンと同郷のアーティスト、サイ・トゥオンブリーのスタジオや自宅を1999年から2012年に渡り写したものです。イタリアの写真家ルイギ・ギッリやジャンニ・ベレンゴ・ガルディンが画家のジョルジョ・モランディのアトリエを撮った様に、サリー・マンもまたトゥオンブリーの創作の痕跡を切り取りますが、タイトルが示すように、目を引くのは柔らかな光。ブラインド越しに空間を覆うように像をぼやけさせるそれは、“ロマンティックな象徴主義者”を称したトゥオンブリーへのオマージュにも感じられます。同じ土地に生まれ育った二人のアーティストの詩的な交感とも言うべき一冊です。