ボタニック・ハート / Botanic Heart

大坂　寛 / Hiroshi Osaka

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日本の写真家・大坂寛（1956-）の写真集『Botanic Heart』。1981年に日本大学芸術学部写真学科を卒業し、1983年からはほぼ毎年のペースで個展を開催するなど、精力的に制作を続け、ファイン・アートの奇才として海外でも高い評価を得ている大坂。1985年に、 ひとりの女性を撮り続けた「Syzygy」で受賞した日本写真協会新人賞をはじめ受賞歴も多く、自作のカメラや加工などにより、ヌードやランドスケープなどコンセプチャルな世界を作り上げています。本書は、そのキャリアではモノクロームの作品が多い大坂が、カラーで花を撮ったもの。すりガラスを使用し「三次元的立体物を二次元の平面へと変化させる」（本書より）。平面へと還元されることで影絵のような儚さや幻想が生まれ、その一方で、その美しさがグロテスクへと変化し、生物としての存在が際立つようにも感じられます。「平面に張りついたその花たちの形態は、水滴に斜めから差し込む光線によって、あたかも星屑のうねりの内に宿っているかの如く、活力を増し光輝く」（あとがきより）。

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