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サドの著作をはじめ、マニエリスムやシュルレアリスムのような異色の文学や美術、思想を紹介し、60年代以降の日本の文化・芸術に影響を与えたフランス文学者、澁澤龍彦。本書は、澁澤が責任編集を担い、1969年に発行された“エロティシズムと残酷の綜合研究誌”『血と薔薇』の復刻版で、澁澤が手掛けた3冊がセットになっています(最終号の4号には澁澤は携わっていない)。復刻版の編集人である内藤三津子は『血と薔薇』の企画者であり、誌名も彼女によるもの。アート・ディレクターは堀内誠一が務め、挿入されるイラスト・カットなどもとても洗練された印象を与えます。その豪華な執筆陣や参加作家を挙げれば枚挙にいとまがないのですが、参加した写真家にも目を見張るものがあります。1号の巻頭では、三島由紀夫を篠山紀信が撮り、土方巽や唐十郎を深瀬昌久や早崎治が撮るほか、奈良原一高、細江英公らも参加。2号では立木義浩や石元泰博、3号では篠山や東松照明が参加しています。種村季弘や内藤三津子による回顧録も別紙で付いています。