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荒木経惟に師事していたことでも知られる、日本の写真家・野村佐紀子(1967−)の写真集『裸の時間』。九州産業大学芸術学部写真学科を卒業後、1991年より荒木に師事し、1993年の個展『針のない時計』以降、国内はもとよりヨーロッパ、アジアなどでも精力的に個展やグループ展を開催し、近年は高齢者のポートレートやソラリゼーションによる写真集を出すなど、新たな表現方法を取っています。本書は、野村の代名詞ともいえる男性のモノクロ・ヌードを中心にまとめられた一冊。大判サイズのデザインは北川一成によるもので、ベッドの上に横たわる男性たち、交わる男女、そしてその多くがアンニュイな表情を浮かべています。荒木のような色情をまとった被写体との濃密な関係性とは異なる、野村ならではの被写体との距離感やフィーリングが、独特な写真表現を生んでいるように感じられます。