赤い風船あるいは牝狼の夜 復刻版 / Red Balloon or Night of the She Wolf Reprint

宮原　安春ほか / Yasuharu Miyahara & Others

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本書は、1963年に刊行された作品集の復刻版でもろもろ曰く付きの一冊。出版人で編集を施したのは当時早稲田大学に在籍し、後にノンフィクション作家としても活躍した宮原安春。当時宮原を中心に創設された政治結社「犯罪者同盟」が、定期的に刊行していた機関誌の特別号として発表された「政治的・思想的」要素に富んだアーティストブックが本書。しかし、収録された写真家吉岡康弘の図版が猥褻容疑で警視庁の捜査を受け（吉岡は自身の1st作品集でも同様に捜査を受けています）、さらには前衛芸術家・作家の赤瀬川原平が、千円札紙幣を印刷した芸術作品を本書でも発表し、「千円札裁判」が起きるきっかけともなった一冊でした。裁判も紆余曲折あったものの1970年には有罪が確定。しかしその2年後に、宮原は再び本書の復刻版を刊行。諸諸訳ありとはいえ、赤瀬川や吉岡といった気鋭のアーティストのスタートラインとなった貴重な作品集です。帯欠。（The Japanese Photobook 1912–1990 収録）

＜Related Artists＞ 吉岡　康弘 / Yasuhiro Yoshioka
＜Condition＞ ジャケット：少ヨゴレ・少イタミ、帯欠
本体：天・地・小口少ヤケ・少ヨゴレ、ページ角少イタミ