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日本におけるグラフィック・デザインの先駆者であり、1964年の東京五輪のシンボル・マークやポスターのデザイナーとして知られる亀倉雄策(1915-1997)。本書は、編集委員に美術評論家の小川正隆とグラフィック・デザイナーの田中一光、永井一正を迎え、50〜80年代にかけての亀倉の手掛けたデザインをまとめた作品集です。初版は1983年ですが、本書は2005年の復刊版。東京五輪の一連の仕事はもとより、亀倉らしい幾何学構成による「ニコン」や「ニッコールレンズ」の広告ポスター、シンプルでも力強さのある企業ロゴ、洗練されたパッケージ・デザイン、そしてアートブックや雑誌カバーのデザインの数々など、戦後に復興を成し遂げていく産業界とともに、グラフィック・デザインという分野で新たな地平を切り開いてきた亀倉の足跡が見て取れます。巻末には自身によるデザインの解説や、戦中・戦後のデザイン史としても優れた永井による「亀倉雄策の軌跡」などのテキストを収録。序文は建築家・丹下健三。