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日本の写真家剣持加津夫の写真集「フラッシュバック -フォトルポルタージュ『日本の麻薬禍』-」。1960年以来「麻薬追放キャンペーン」と称して、厚生省や警視庁と連動のもと、40年以上もの間麻薬を追い続けたジャーナリストとして名高い剣持加津夫。捜査上の機密事項や人権侵害を回避すべく、撮影方法や技術的な工夫を凝らして、写真の抽象表現至っては芸術表現にまで発展させ、麻薬問題のみならず「性の解放」や「エロティシズム」にもそのオリジナリティを存分に発揮した写真家です。写真の「記録」と「創造」という両面で無類の作品を発表し続けた剣持ですが、本書は長年に渡る麻薬取材のダイジェスト版とも言えるコンパクト作品集。戦後米兵らによって持ち込まれ、全国的に氾濫を巻き起こした麻薬。60年代当時は密売人や密輸入者に対する刑罰も軽く、検挙しても微罪であったことから「麻薬大国」と揶揄されていたという日本。そんな現実を撮影し、社会に訴えようとの思いから始まった剣持加津夫によるルポルタージュ。