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本書は1960年に起きた日米安全保障条約に対する空前絶後の反戦闘争を記録した写真集。1960年の岸内閣による新安保条約は、日本国とアメリカ合衆国との間の一層の相互協力を求めて締結が求められたものでありましたが、実質的にはアメリカ軍の戦争に巻き込まれる懸念の増大や在日米兵の犯罪免責特権への批判も重なり、さらには第二次世界大戦時の内閣閣僚であった岸首相に対するA級戦犯容疑の反感も相まって、国民の不満を増幅する結果となりました。そしてデモ時の学生(樺美智子氏)圧死もあり、暴動は激化。1週間後には岸内閣総辞職へと至りました。圧死事件が6/15、安保自然成立が6/19、総辞職表明が6/23、そして本書が刊行されたのが8/15であり、本書はこの大規模暴動の一連をタイムリーに記録・発表した貴重な一冊であり、写真撮影者にも、濱谷浩、木村伊兵衛、東松照明、長野重一、渡部雄吉、川島浩ら錚々たる面々が名を連ねています。(The Japanese Photobook 1912–1990 収録)