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フランスの写真家・作家ロマン・スロコンブ(1953-)の作品集『Tokyo Sex Underground』。1980年代から日本文化に強い関心を寄せてきたスロコンブは、写真、イラスト、小説といった複数の表現領域を横断しながら、身体や欲望、フェティシズム、イメージ消費の構造を一貫して探求してきました。とりわけ日本のサブカルチャーや都市文化への深い傾倒で知られ、『City of Broken Dolls』や『Japanese Fetish』などを通じて独自の視点から日本社会を見つめ続けています。本書は1990年代末から2000年前後の東京を舞台に、SMクラブやフェティッシュバー、コスプレ文化、アンダーグラウンドな表現空間を記録した作品集です。バブル崩壊後の東京が抱えていた匿名性や欲望の集積を背景に、自己演出としての身体表現や都市の奥深くに存在するコミュニティの姿を捉えています。被写体には荒木経惟も登場し、日本の写真文化やエロティシズムをめぐる文脈との接点もうかがえますが、本書の関心は刺激的な題材そのものではなく、そこに集う人々のアイデンティティや表現欲求に向けられています。海外からの視線でありながら単なる異文化趣味に陥ることなく、東京という都市が生み出した独特のイメージ空間と人々の欲望のかたちを描き出した、2000年前後のカルチャーシーンを知るうえでも興味深い一冊です。