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アメリカの写真家クリスチャン・パターソン(1972-)の作品集『Gong Co.』。独学で写真を学び、ウィリアム・エグルストンのもとで制作経験を積んだパターソンは、写真に加えてアーカイブ資料やオブジェ、ドローイングなどを組み合わせ、記憶や時間、場所を多層的に描くアーティストとして高く評価されています。代表作『Redheaded Peckerwood』でアルル国際写真祭Author Book Awardを受賞し、グッゲンハイム・フェローやGrand Prix Images Veveyを受賞するなど、現代のアーティストブックを語るうえで欠かせない存在です。本書は、ミシシッピ・デルタに実在した中国系アメリカ人一家の食料品店「Gong Co.」を約20年にわたり記録した集大成。2003年に偶然この店と出会ったパターソンは、営業を終え、やがて解体されるまでの長い時間を見つめ続けました。現場写真に加え、モノタイプ、コラージュ、手書きのメモ、店内に残されていた品々を組み合わせることで、一冊の本そのものをインスタレーションへと昇華。擦り切れた布装や紙袋を思わせるカバー、経年変化を再現した印刷など、造本そのものも作品の一部として設計されています。ウォーカー・エヴァンスやウィリアム・エグルストンが描いたアメリカ南部の写真史を継承しながら、その土地に刻まれた時間や記憶の堆積を、写真集という枠を超えた豊かな表現へと結晶させた、クリスチャン・パターソンの新たな代表作です。