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ロシアの映画監督アンドレイ・タルコフスキー(1932-1986)の映画書『Opfer: Filmbuch』。『惑星ソラリス』『ストーカー』『ノスタルジア』などで知られるタルコフスキーは、時間の流れや記憶、精神性を映像によって探求した20世紀映画史を代表する作家のひとりです。本書は、亡命後にスウェーデンで制作された遺作『サクリファイス』をもとに構成されたフィルムブックで、映画のスチール、テキスト、シナリオ断片などを交えながら、その世界観を一冊へと凝縮しています。核戦争への不安が色濃く漂う冷戦末期を背景に、祈りや献身、沈黙といった主題が静かに浮かび上がり、霧に包まれた風景や長回しの映像感覚までもが紙面から伝わってきます。ベルイマン作品で知られる撮影監督スヴェン・ニクヴィストの光と空気感も印象的で、単なる映画資料集ではなく、“映画を読む”ための芸術書として高い完成度を持つ一冊です。