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アメリカの写真家ラリー・フィンク(1941–2023)の作品集『Opening the Sky』。1960年代から半世紀以上にわたり活動したフィンクは、フラッシュを生かした力強いモノクロームで、人間同士の距離感や身体性、共同体の営みを鋭く描き続けたアメリカ写真界の巨匠です。代表作『Social Graces』では上流階級と労働者階級を対比的に捉え、社会構造を浮かび上がらせましたが、本書では1980年にワシントン州オリンピック半島の森林伐採現場へ入り込み、巨大な木々と向き合う伐採夫たちの日常を記録しています。倒木の迫力や危険な作業だけでなく、仲間との語らいや束の間の休息、森に差し込む光までを見つめた写真からは、自然への畏敬と労働の尊厳、そして人間が大地と共に生きる力強さが静かに伝わってきます。また本書は、英国の写真集出版社Stanley/Barkerが創業間もない2015年に刊行した初期の代表作の一つでもあります。優れた編集と美しい造本で世界的な評価を築いた同社が、その後の出版活動の方向性を示した重要な一冊であり、ラリー・フィンクの円熟した視点とStanley/Barkerの高い出版哲学が見事に結実した作品集となっています。