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アメリカの写真家ラルフ・ギブソン(1939-)の作品集『Tropism』。海軍勤務を経て写真の道に進み、後にドキュメンタリー写真の巨匠ロバート・フランクやドロシア・ランゲのもとで経験を積んだギブソンは、1960年代後半から現実の記録を超えた極めて個人的で詩的な写真表現を追求し、写真集というメディアそのものの可能性を切り拓いた写真家として高く評価されています。本書は、ICP(国際写真センター)の巡回展にあわせて刊行された、1960年代から1980年代までの代表作を総括する初期の本格的回顧集です。タイトルの「Tropism」は、生物が光や刺激に本能的に反応する現象を意味する言葉であり、ギブソン自身が創作の原動力として挙げる「光、質感、抽象、ジェスチャー」への鋭敏な感受性を象徴しています。『The Somnambulist』をはじめとする代表作群を通じて、都市の風景や身体の断片、建築の細部は説明的な記録から離れ、夢や記憶を喚起するイメージへと変容していきます。写真集出版レーベルLustrum Pressを設立し、フォトブックを表現の場として発展させたギブソンの軌跡と、その独自の視覚言語がどのように形成されたのかを知るうえでも欠かせない一冊です。ソフトカバー版。