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ニュージーランドの写真家アン・シェルトン(1970-)の作品集『Redeye: A Diary』。オークランドを拠点に活動するシェルトンは、ニュージーランド現代写真を代表する作家のひとりとして知られ、サブカルチャー、暴力、ジェンダー、共同体、神話性といったテーマを横断しながら、ドキュメンタリーとコンセプチュアルな手法を往復する作品を発表してきました。本書はその初期を代表するシリーズであり、1990年代末から2000年代初頭にかけてのニュージーランド都市部の若者文化を、作家自身が属するコミュニティ内部から記録した“日記”的作品集です。クラブ、パーティ、夜明け前の部屋、親密な関係性、酩酊や疲労の気配――フラッシュを多用した粗いカラー写真には、刹那的な高揚と同時に、どこか不穏で孤独な空気が漂っています。タイトルの「Redeye」は、赤く焼けた目や眠らない夜の感覚を想起させ、都市の夜に生きる若者たちの身体感覚そのものを映し出しているようでもあります。ナン・ゴールディン以降の親密圏の写真表現を引き継ぎながら、ニュージーランド特有の閉塞感や距離感を刻み込んだ一冊です。