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ポルトガルの写真家Paulo Nozolino(1955-)の作品集『Far Cry』。リスボンに生まれ、1970年代にロンドンへ渡り、その後パリを拠点にヨーロッパ、アフリカ、中東、南米などを巡りながら制作を続けてきました。白黒写真に徹し、深い闇とわずかな光の侵入を対置させるその画面は、場所や出来事を説明するというよりも、歴史や記憶、死と再生といった人間の根源的な主題へと静かに迫ります。本書は、ボスニアやアラブ世界、南米、モーリタニアなど各地で撮影された複数のプロジェクトを初めて横断的に編んだ一冊であり、特定の地名を超えて、現代における疎外や不安の気配を浮かび上がらせます。一方でアウシュヴィッツを写したシリーズのように、歴史的現実と正面から向き合う視線も内包し、光と闇、絶望と希望のあわいに立つ写真の可能性を示す集成的モノグラフです。