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スウェーデン出身の写真家エサイアス・バイテルの写真集「Zonen」。1949年にドイツ系の父とラトビア移民の母の下に港町トレレボリで生まれたバイテルは、大学を卒業後TimeやNewsweek等で活躍したドキュメンタリー・フォトグラファー。本書はサブカルチャー作品集の傑作と評されている一冊で、70年代にバイテルがパリで5年間暮らしていた時代に撮影された図版で構成されています。パリのアンダーグラウンドな世界に生きるロッカー族やバイク族、さらには郊外のオーベルヴィリエ等でナチスをルーツとする移民たちの暮らしを鋭く描写。バイテルは、アウシュビッツ収容所におけるユダヤ人迫害の生き残りであった父を持つユダヤ系移民の息子であり、そんな血をひくバイテルが彼らの日常に踏み込んで撮影したことに重要な意味があり、ヨーロッパにおける残虐な過去・フランスの多様な移民問題と、社会性を多分に包含した意義深い作品集。サブカル的要素とドキュメンタリーの交錯が心をくすぐるおすすめの一冊。