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日本を代表する写真家・森山大道と、造本家・町口覚がマッチアンドカンパニーのMMMレーベルで刊行した『Dazai』。MMMは森山大道、本尾久子、町口覚のイニシャルを冠したシリーズであり、写真・編集・デザインの三者が一体となった創造的な出版プロジェクトの五冊目として2014年に世に出ました。森山は戦後都市の濁流を独自のモノクロームで切り取り続けてきた表現者であり、本作では70年代から現代までの作品から太宰治の精神と共鳴するイメージを抽出しています。タイトルの『DAZAI』には、太宰治の短編『ヴィヨンの妻』が収録され、写真と文学が隣り合いながら、孤独や際どい精神の震えを呼び起こします。写真集は単なる作品集ではなく、森山自身が感応してきた太宰的な感覚をモノクロの断片で再構成したものとして位置づけられ、町口覚による装丁もまた、紙や造本の質感を通じて本の物質性自体が視覚体験と響き合うよう設計されています。写真と文学の境界を揺らしながら、都市の雑多さと存在の内奥へと誘う一冊です。日本語版。350部限定。