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日本の写真家・荒木経惟 の作品集『小真理といふ女』。荒木が向き合ってきた女性像のひとつを、「小真理」という名をもつ一人の存在として写しとった小さな写真集です。物語や説明を重ねることなく、視線や身振り、身体の輪郭といったささやかな瞬間が、大判の紙面に静かに置かれていきます。写真には過剰な演出はなく、撮る者と撮られる者のあいだに流れる、言葉にならない距離や時間がそのまま残されています。被写体を意味づけしきらず、見る側にも判断を委ねる姿勢は、荒木作品に通底する「生」と「写真」の関係をやわらかく示します。本書は、人物を撮るという行為が孕む親密さと不確かさを、そっと手渡すように差し出す一冊です。