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日本の写真家相原英司の写真集「隣り近所」。本書では「1940年静岡県相原町に生まれ、地元の高校を卒業後、1963年より織物業を自営、現在に至る」と経歴が紹介され、1960年頃より写真を始め、アサヒカメラで数回掲載されたこと以外には詳しい経歴では定かではありません。しかし、1977年に刊行された本書の図版を見ると、その素朴で奥深い作品の数々に惹きこまれます。日本の写真史における屈指の傑作「木村伊兵衛・パリ」や「瞽女 橋本照嵩写真集」を刊行したのら社より出版され、発行人・北井一夫、編集・大崎紀夫のゴールデンコンビによる作品集はさすがのひと言。おそらくはタイトルの通り、自身が暮す周辺近所で撮影されたようですが、生い茂りそして枯れはれた草木、整備されていない土砂道、歴史を感じさせる木造一軒屋、昭和のインテリア、街の魚屋さん、川で遊ぶ子供たち、祭りの光景、などなど一見何気ない田舎の生活風景の中に、計算尽くされた構図やあたたかなストーリーが内包されており、力強さ・奥深さを感じさせる図版の数々。ありきたりで何気ない日常の中に見るNew Landscape。