Google Translate
日本の写真家・長沢慎一郎による写真集『Mary Had a Little Lamb ― 小笠原の壕、その空洞に見る秘められた戦後史』。1977年東京生まれ。藤井保に師事し、2006年に独立後、2008年からは小笠原・父島でのフィールドワークを開始、本作は、第二次大戦後の日本に残された記憶と不在をめぐるドキュメントであり、主に米軍統治下(1945〜1968年)に掘られた地下壕の内部と、その周辺に広がる風景を静かに記録しています。壕は「メリーさんの羊」と通称され、核兵器配備の疑念も残る場所ですが、写真に写るのは光の届かぬ闇、湿った壁面、静かな空洞。それと対比するように、外界の穏やかな海辺や亜熱帯の木々が差し込まれ、戦争の記憶と現在の生活とが織り重なる構成となっています。写真に添えられる寄稿文も含め、歴史の余白に目を凝らす視点を提示する重層的な一冊。第49回木村伊兵衛写真賞受賞作品。