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日本の写真家塩谷定好の写真集「海鳴りの風景」。生涯鳥取県・赤崎という僻遠の地で活動を続けた孤高の写真家塩谷定好。幼少時より写真に興味を持ち、廻船業を営む家系に生まれ、農学校を卒業後は、アマチュア写真サークルを創設して活動を始め、各種写真雑誌で数々の作品を発表。「わたしの写真は、自然をしたう。自然のこころを。わたしの心として写すことに専念してきたと思うのです。四季折々の風物に詩情を動かされ、山も川も海も、田園の風景も、人も、自然の感情を自分なりに発見し、感動しながら一生懸命に写してきたと言えます(写真家より)」。カメラ、感光材料も未発達な時代に、創意工夫を重ねて、独自のテクニックを見出だして撮影・プリントを施し、植田正治が活躍する以前から、日本の伝統文化を礎とした山陰の原風景を捉え続け、1980年代には世界最大の写真見本市’フォトキナ’で栄誉賞を授与するに至った近代写真の先駆者の貴重な記録集。植田正治との座談収録。編集・三木淳。