The New Industrial Parks Near Irvine, California

Lewis Baltz

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アメリカの写真家・ルイス・ボルツの作品集『The New Industrial Parks Near Irvine, California』。1945年カリフォルニア生まれのボルツは、1970年代に登場した「ニュー・トポグラフィクス」の中心的存在として知られ、均質化された都市空間や郊外の風景を、極端なまでに客観的かつミニマルな構図で記録し続けた作家です。建築物やインフラといった人工物に宿る秩序や暴力性を静謐な視点で捉え、その冷徹な写真表現は、現代美術の文脈でも高く評価されてきました。本書は、1974年に刊行されたボルツの代表作の復刻版で、カリフォルニア州アーバイン周辺に広がる無機質な工業団地を51点のモノクロ写真で構成。人影のない建物、整備された道路、画一的な壁面が、画面いっぱいに無言の圧力を持って迫ります。写真にはそれぞれ撮影地点の住所が添えられ、記録としての正確さと、抽象絵画のような構成性が同時に存在しています。対象に対する一切の感情を排した視線は、逆説的に都市空間の空虚さや人間の痕跡を際立たせ、ボルツが切り取った風景が、20世紀アメリカの精神的風土をも象徴するものとして浮かび上がってきます。

＜Related Artists＞ Lewis Baltz、Robert Adams
＜Condition＞ ケース：少ヤケ・少イタミ、ジャケット：少ヤケ、本体：天・地・小口少ヤケ