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日本を代表する写真家・佐内正史の作品集『Map(Signed)』。90年代初頭より本格的に写真を始めたという佐内は、独学で自身のスタイルを極めていった異色のフォトグラファー。本質的には異なれど、どことなくありふれた風景ながら、その切り取り方、さらには対象への深い洞察は、高い人気を誇る清野賀子らを想起させ、近しい時代に頭角を表してきたホンマタカシ、原美樹子らともに、21世紀を担う新世代の写真家として高い注目を集めました。その期待通り、現在でも各々の人気そして活躍は続いておりますが、本書は、その佐内の名と絶妙なセンスを世に知らしめた出世作で、第28回木村伊兵衛写真賞受賞作。上述したようなとある日常の断片が切り取られた図版、さらにはちょっとした「妙」も織り交ぜられ、写真ゆえに創られる瞬間と断片による新世界が詰まった作品の数々。「写真集」という形態にも当初から並々ならぬこだわりを持ち、私家版で刊行された本作は、Lee Friedlanderの『Letters From The People』を参考に、判型も合わせ、町口覚によってデザインされました。(輸送箱に)写真家サイン入り。