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アイルランドを代表する写真家のひとりであるイーモン・ドイルの作品集。写真家としての活動は2008年からですが、2014年から私家版で刊行した初期三部作『i』『End』『On』で圧倒的評価を得て、写真家としての地位を確立します。大学時代に写真を勉強していたものの、その後は音楽の世界で仕事をしており、自身のレーベル「R1」のオーナー、そしてダブリン芸術音楽祭の創設者としても、アイルランドのミュージックシーンにおいても欠かすことのできない存在であったそうです。ファーストがカラー、セカンド及びサードがモノクロ主体の作品集でしたが、特にサードの『On』は、全273の写真図版に加えて、20のドローイング、さらには「7” vinyl」も織り交ぜられた内容で、写真だけにとどまらないイーモン・ドイルの多彩な才能が凝縮されたような作品集となりました。本書は2019年からは2020年にかけてスペイン・マドリードで行われたエキシビジョンを機に刊行された作品集で、上述したキャリアの全貌が収録されたレトロスペクティブ。300ページ近くに及ぶ大著です。